逆子とはその名の通りに妊娠中に胎児が正常とは逆の体勢になっている状態のことです。
一般的に逆子は妊娠30〜32週の間に診断されることが多くそのまま自然出産を行うと通常の場合と異なり様々な危険なリスクが伴います。
逆子と診断されると『逆子体操』や体勢の指示などを受けますがそれだけでは中々改善しないケースも多いです。
帝王切開になると体に傷を残してしまうし、かと言って逆子のまま自然出産を行うと死産や低酸素脳症などの危険なリスクが生じてしまいます・・・
そこで今回はそんな逆子の改善に効果的な『鍼灸治療』について解説していきます!
●逆子とは?
逆子と言う状態は医学的には骨盤位と言い正常の場合は胎児の頭が子宮口の方に向いていて下向けになっている頭位の状態ですが子宮口の方に足が向いていて頭も上の方を向いてしまっている状態のことを指します。
妊娠中の特に妊娠初期などの時期にはまだお腹の中の赤ちゃんも小さく自由に動き回れますので逆を向いていても自然と正常の位置に戻ることが多くそんなに問題はありません。
ですが妊娠32週ぐらいを過ぎても逆子の状態だと本格的に治療を行わないといけません。
なぜかと言うとこの頃まで逆子の状態が続いているとそのまま出産を迎えることになることが多いからです。
●逆子のまま出産するリスクとは?
だいたい逆子の状態のままだと『帝王切開』となります。
ところでなぜ逆子の状態での自然出産は危険と言われているのでしょうか?
一番の原因は『死産のリスクが上がってしまう』からです。
通常の頭位の状態であれば胎児は頭から出てきて自然呼吸を始めますが逆子の場合には頭が上の方を向いてしまっているので出てくる際に顎など頭全体がつっかえてしまいスムーズに出てくることが困難になります。
この頭がつっかえている状態の時に圧迫などを受けてしまい呼吸ができずに結果として死産や低酸素脳症、新生児仮死、脳性麻痺などを起こしてしまう可能性が高まります。
このようなリスクを回避するために逆子の際には『帝王切開』を行うことが多いです。
●逆子に対する鍼灸治療
そんな様々なリスクが生じてしまう逆子ですが治療法はないのでしょうか?
産婦人科などでは主に『逆子体操』を指示されることが多いと思います。
※逆子が改善しにくい原因
- 緊張や冷え性によるお腹の張りが強い
- 卵巣嚢腫や子宮筋腫
- 子宮の奇形
- 臍帯が胎児に絡まっている
- 羊水の量が異常である羊水過多や羊水過少
逆子体操で改善すれば良いのですがそうでない場合には自然と元の状態に戻ってくれるのを待つことになります・・・
ですがこのような中近年『鍼灸治療』が逆子に対する治療として注目されています!
鍼灸治療は古くから用いされてきた伝統医療ですがそんな昔から逆子の治療に用いられ改善されてきたとされています。
実際に鍼灸治療は効果的で薬などと違い母体や胎児にとっての副作用のようなものはほとんどありません。
東洋医学といえばツボですがこのお灸を使った治療でもツボを使い治療を行います。
用いるツボ名は『至陰』『三陰交』と言う2つのツボです。
このようなツボをメインに鍼灸治療を行いさらに自宅で自分でもできるセルフお灸をすることで改善率が高くなります。
部位としては・・・
至陰(しいん)
足の小指の爪の部位で爪の一番外側の下のキワの部位
至陰にはお腹の中の赤ちゃんの胎動を促す効果があります。
三陰交(さんいんこう)
足の内くるぶしから指4本分上に上がった部位
三陰交には子宮内の冷えを改善し子宮を温め血流が促進し子宮内の環境を良くする効果があります。
主にこの2つにお灸を用い治療を行います。
その他にもその人の体質などを考慮し鍼灸治療を行います。
また鍼灸治療では逆子の治療だけでなく妊娠中の妊婦さんに生じる不定愁訴や不安感、体の調子なども同時にケアすることができますので出産まで体を健康な良い状態に保って安心して出産を迎えられるかと思います。
●まとめ
今回は逆子に対する鍼灸治療について解説しました。
逆子はそのままの状態から出産を迎えると様々な危険なリスクを伴います。
逆子体操などの自分でできる対処法などもありますがそこで改善されない場合には『帝王切開』になります。
鍼灸治療は古くから逆子の治療に用いられてきた治療法です。
副作用などのリスクも無く逆子を改善でき同時に妊娠中に生じる不定愁訴を改善させられたり体調を良い状態に保ったりもできる効果的な治療法です。
個人差はありますが数回の治療、早い方では一回の治療で改善が見込まれることも多いですので逆子でお悩みの場合には是非一度ご相談ください🌱