小児特有の疾患に『てんかん』や『小児喘息』と言った疾患があります。
このような疾患は小児の時期特有の疾患で最近では罹患する患者数も増加傾向です。
また症状が長期化しやすかったり症状が激しく生じることが多く心配になる事も多い疾患です。
多くの場合は薬などを使って治療を行うことが多いこの2つの疾患ですが薬以外の治療法として『鍼灸治療』が効果的と言われています。
鍼灸治療には薬と違い体への副作用などが少ないなどのメリットが多く実際鍼灸治療で症状が緩和したケースも多いです。
今回はそんな小児に多い『てんかん』『小児喘息』に対しての小児はりについて解説してきたいと思います。
●小児はりとは?
小児はりはその名の通りに小児を対象に行う鍼治療のことを指します。
鍼治療と言われると何となく先が尖った鋭利な鍼や注射針を想像すると思いますが実際に鍼治療で使用する鍼は直径0.1㎜から0.3㎜程しか無いものを使用することが大半です。
注射針は大体直径0.7㎜から0.9㎜程のものを使用しますからそれよりかはかなり細く、髪の毛並みの細さですし柔らかさもあります。
この鍼を用いて体に巡る『気』や『血』を整えたり代謝や免疫力を向上させるような治療を行います。
東洋医学ではこの気や血の巡り方やその人の体質、食生活などで生じやすい症状を把握したりその方のタイプのようなものを把握し経絡や経血(ツボ)を使い疾患を根本から改善させるような治療を行います。
西洋医学とは違う方向からアプローチを行うため病院で経過観察している症状や薬で症状を抑えている疾患に対しても改善を見込める治療法として今注目されている治療法でもあります。
●小児てんかんとは?
18歳以下の方のてんかん症状を小児てんかんと呼んでいます。
小児てんかんには大きくわけて生まれた時の脳の損傷や先天性の奇形などが原因で生じる症候性てんかんと原因不明で発症する特発性てんかんがあり医療技術が進歩した現代では特発性てんかんの発症率が高いです。
新生児の時期の症状としてはぐったりしているだけのことから突然発作を起こす場合もあり小児期の症状では普通に会話をしている時や何かをしている時に突然発作を起こしたり意識がなくなることが多いです。
意識がなくなるのは大体20秒から30秒ほどが多く痙攣などがあまり起きないので周りに気づかれにくいと言う特徴もあります。
●小児喘息とは?
小児喘息とは大人の喘息と同様で気管支が慢性的に炎症を起こし発作性の咳、痰、呼吸困難を引き起こす疾患です。
5歳未満で症状を発症することが多く多く子供は成長とともに治癒する事も多いです。
しかし大人になっても喘息が続く場合もあり早期からしっかりと治療を行うことが大切です。
また子供は症状をうまく伝えることができませんのでしっかり組みとって早期に症状に気がつくことも大切です。
ただ体調が悪かったり風邪などでも喘息のような症状は出ます。喘息の特徴はヒューヒュー、ゼーゼーと言った激しい咳き込みなどです。
いつもより何かおかしいなと少しでも思ったら早めに医療機関を受診するようにしましょう。
●どんな治療をするの?
小児は大人よりも刺激に敏感なことが多いため基本的には低刺激で体に無理をかけないような刺激量で治療を行います。
小児はりには鍼を刺す場合と刺さない場合とがありますが刺す場合でも刺されていることに気がつかない事もあるほど自然とリラックスした状態で治療を進めます。
東洋医学では人間の体には『気』や『血』と言った生命活動に必要な物質が巡っているとされています。
その巡りを鍼治療で整えたり体の免疫力を向上させ疾患を根本から改善するように治療を行います。
薬などでその時に生じている症状を抑える対処療法とは異なり鍼灸治療は疾患そのものを根本から改善させるのも特徴の一つです。
その他日常生活内での注意点や食生活の指導などを行い私生活からも疾患を改善させます。
●まとめ
今回は小児の疾患の中でも特に長期化してしまったり症状が激しく心配になる『てんかん』や『小児喘息』に対する小児はりの治療法を解説しました。
小児はり治療は低刺激で無理のない範囲で治療を行い疾患を根本から改善させるため体の巡りや気、血にアプローチします。
子供は自分の症状を明確に説明することが難しく発見が遅れてしまう事もあります。
少しでも何か変だなと思ったら医療機関を受診したり相談することも疾患を長期化させないためのポイントですので何か気になった際には早めに対処するようにしましょう。