鍼灸師・国際中医専門員が教える「耳鳴り」の主な原因と検査法【５選】

耳鳴りの主な原因、検査法、治療法、そして鍼灸や漢方薬の効果について、それぞれ詳しく説明します。

1. 耳鳴りの主な原因：

①聴覚器官の問題：

耳鳴りは、内耳の障害や感染症、耳垢の詰まりなど、聴覚器官に関連した問題によって引き起こされることがあります。内耳の神経細胞や毛細血管に損傷が生じると、耳鳴りが発生する可能性があります。

②血管障害：

血管の問題や血流の変化が耳鳴りの原因となることがあります。例えば、血管が耳の近くを通過する際の圧迫や血流の乱れが、耳鳴りを引き起こすことがあります。

③神経障害：

聴神経や脳の一部に問題がある場合、耳鳴りが生じることがあります。例えば、脳幹や聴神経に影響を与える腫瘍や血管異常が耳鳴りの原因となることがあります。

④ストレスや不安：

心身のストレスや不安が耳鳴りを引き起こすことがあります。ストレスや不安により、身体の緊張や神経の過剰刺激が生じ、耳鳴りが発生することがあります。

⑤難聴：

耳の損傷や難聴が耳鳴りの原因となることがあります。これは、騒音暴露、加齢、耳の損傷などが原因となります。

2. 耳鳴りの主な検査法：

①聴力検査：

耳鳴り患者に対して最初に行われる検査であり、聴力を評価するための検査です。聴力損失の程度を評価し、耳鼻咽喉科医や専門医が症状の原因を特定するのに役立ちます。

②内耳機能検査：

内耳の機能を評価するための検査であり、前庭反応検査や平衡器機能の評価などが含まれます。これにより、メニエール病などの内耳の疾患を特定することができます。

③画像検査：

MRIやCTスキャンなどの画像検査が行われることがあります。これにより、脳や耳の内部の異常や損傷を評価し、耳鳴りの原因を特定することができます。

④血液検査：

特定の疾患や炎症の有無を確認するための検査です。血液検査により、糖尿病や感染症などの潜在的な問題を特定することができます。

⑤オーディオメトリー：

脳に到達する音の途中で問題がある場合、オーディオメトリーが行われることがあります。これにより、脳幹誘発反応検査（ABR）や脳幹音響誘発電位検査（BAEP）などが含まれます。

3. 耳鳴りの主な治療法：

①原因治療：

耳鳴りの原因となる病気や状態に対する治療が行われます。例えば、内耳の問題には抗めまい薬やステロイドが使われ、血管の問題には血圧降下薬が使用される場合があります。

②音療法：

耳鳴りをマスキングするための外部音の提供や音響療法が行われます。これにより、耳鳴りが気にならなくなることがあります。

③カウンセリング：

耳鳴りのストレスや不安を軽減するためのカウンセリングやリラクセーション法が行われます。心理的なサポートが耳鳴りの管理に役立つことがあります。

④薬物療法：

耳鳴りの症状を軽減するための薬物が処方されることがあります。例えば、抗うつ薬や抗不安薬が使われ、症状の軽減が期待されます。

⑤サポートグループ：

耳鳴り患者のサポートグループに参加することで、他の患者との情報交換や経験共有ができ、心理的な支えとなる場合があります。

4. 鍼灸や漢方薬の効果：

鍼灸：

鍼灸療法は、身体のエネルギーのバランスを整え、痛みや不調を軽減する目的で行われます。耳鳴りに対しても一部の患者に効果があると報告されていますが、個々の症例によって効果が異なります。

漢方薬：

漢方薬は、自然由来の植物やミネラルなどを組み合わせた製剤で、体のバランスを整える目的で使用されます。耳鳴りに対する漢方薬の効果は、症状の原因や個々の体質によって異なります。

病院で原因がわからなかった場合、鍼灸や漢方薬が効果的かどうかは、その人の症状や体質によって異なります。統合医療を提供する医療機関では、西洋医学と東洋医学を組み合わせたアプローチが採用され、患者の個々のニーズに合わせた治療が提供されることがあります。